積立NISAは投資信託に年間40万円を20年間積立てることができる制度です。
通常は利益の約20%を税金として没収されますが、この制度は税金がかかりません。
国民の目が投資へ向くようにと政府が作った制度です。
これは積極的に使いましょう!
では、どれぐらいお得なのだろうか?
計算してみることにしました。
webで調べればすぐですが、今回は自分で計算してみたいと思います。
積立NISAの公式を作ろう
投資は基本的に複利で計算します。
1年後に\(x\)倍になるとして計算してみましょう。
積立NISAの年間上限の40万円を積み立てたとして考えてみます。
1年目
40万円を積み立てて\(x\)倍になります。
$$40\times x=40x$$
さらに1年後は(開始から2年後)はそれに40万円を積み立てて\(x\)倍になります
$$(40x+40)\times x=40x^2+40x$$
さらに1年後は(開始から3年後)はそれに40万円を積み立てて\(x\)倍になります
$$(40x^2+40x+40)\times x=40x^3+40x^2+40x$$
規則がつかめましたか?
\(x\)が順番に3乗、2乗、1乗となっていますね。
20年後は
$$40x^{20}+40x^{19}+40x^{18}+ \cdots +40x$$
40でくくって
$$40(x^{20}+x^{19}+x^{18}+ \cdots +x)$$
ここで\(x^{20}+x^{19}+x^{18}+ \cdots +x\)の部分を考えます。
これの順番を入れ替えて見やすくすると\(x+x^2+x^3 \cdots +x^{20}\)となり、等比数列の和になっていることがわかります。
この公式を使います。
高校の教科書に掲載されている公式です。
今回は初項\(x\)、公比\(x\)、初項から第20項(20年後)までの和を公式で求めます。
$$x+x^2+ \cdots +x^{20}=\frac{x(x^{20}-1)}{x-1}$$
これより、先ほどの式は、
$$40(x+x^2+ \cdots +x^{20})=\frac{40x(x^{20}-1)}{x-1}$$
となります。
\(x\)に色々な値を代入してみよう
年利1%ならば\(x\)に1.01を代入すればよく、年利2%ならば\(x\)に1.02を代入すればよいことになります。
しかし代入すればよいとはいえ、20乗をしなくてはなりません。
1.01を手作業をで20回かけるのはちょっと厳しい。
そこでここは電卓に頼ります。
iPhoneを横にすると関数電卓並みの機能が出てくるのをご存知でしょうか?
これを使って計算します。
計算結果発表
表にまとめました。
年間40万円を20年続けると800万円。
それが複利で増えていったときの理論値です。
税金は積立NISAでは取られませんが、通常での税率で取られる金額を記載しています。
※面倒になるので税率は20%で計算
年利 | \(x\)の値 | 計算結果 | 利益 | 税金 |
1% | 1.01 | 889万 | 89万 | 18万 |
2% | 1.02 | 991万 | 191万 | 38万 |
3% | 1.03 | 1107万 | 307万 | 61万 |
4% | 1.04 | 1238万 | 438万 | 88万 |
5% | 1.05 | 1388万 | 588万 | 118万 |
6% | 1.06 | 1559万 | 759万 | 152万 |
7% | 1.07 | 1754万 | 945万 | 191万 |
8% | 1.08 | 1976万 | 1176万 | 235万 |
9% | 1.09 | 2230万 | 1430万 | 286万 |
10% | 1.10 | 2520万 | 1720万 | 344万 |
投資の場合は年利5%で計算することが多いように思います。
年利5%の場合は800万円を積立てると1388万円になります。
通常では税金で118万円取られるところそれがNISAでは取られません。
118万円あれば100回以上はゴルフに行くことができますからね。
月2で考えると4年分です。これはでかいですね。
年間の積立金額が40万円でない人は、40のところを自分が積立てている金額に変更してください。
まとめ
NISAやiDeCoは税金が免除されるおいしいシステムです。
出口戦略は運によるところもあるとは思いますが、分散しておけば大きなケガはないかと思います。
また、楽天証券を利用して楽天カードから天引きにしておくと、クレジットカードの利用料として1%のポイントが付きます。
上記の表から分かる通り、長期的に見ると1%の違いで100万円、200万円と差が出る世界です。
たかが1%、されど1%。
楽天証券でのNISAはおすすめです。
いろいろと調べてうまく活用していきましょう。
☆計算ミスがあったら教えてください。
おまけ
上智大学2019年の入試問題
年率5%、1年ごとの複利で資産を運用する。必要であれば、\(log_{10} 2=0.3010\)、\(log_{10} 3=0.4771\)、\(log_{10} 7=0.8451\)として用いてよい。
(1)1万円の元金を運用したとき、元金合計が初めて2万円を超えるのは何年後か。
(2)毎年1万円ずつ積み立てる。つまり、1年後の時点の資金は、初めの1万円の元利合計と、新たに積み立てた1万円の合計になり、2年後の時点の資金は、1年後の時点の資金に対する元利合計と、新たに積み立てた1万円の合計になる。このとき、資金が初めて20万円を超えるのは何年後か。
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